TkMdの日記

忙しさに流されない日々のために。某教員のブログ。

他人事じゃない

最近、いろんな学校で発達障害の生徒対応に苦慮している。

本校も例外ではなく、なかなかに苦労している。


が、先日のこと。

母と父の話をしていて、母は言った。

「あの人はアスペルガーやと思うよ」

……

……

……

そうかも。

私の父は「困った人」で、自分の意にそぐわないことがあると家で暴れる、「こうあるべきだ」という思い込みが激しい、暴れた後は何事もなかったかのようにけろっとしている、空気が読めない、他人の気持ちが理解できない……などなど今思えば確かにアスペの特徴がある。

学歴もまああるし、一応定年まで仕事ができていたし、常同行動などはないので、自閉度合いは低いと思われる。

が、言語的知能は比較的高め、作業性知能も低くない、というところに来て共感能力が超絶に低い。

点数にするなら、言語的知能100、作業性知能100、共感能力5、くらいだ。

確か能力の差が大きいことが知能検査の見方だったはずなので、これは該当するだろうなーと。

人の気持ちが理解できないことに関して何度か指摘したことがあった。

当時は「指摘したら誤魔化して逃げられた」と思っていたど、あれは本当に言っている意味がわかってなかったのだろう。

色盲で赤色が見えない人に「信号は赤で渡るんだ!」と言っても伝わらないように、全く伝わっていなかったのだろう。



ていうか、大分前に私も「父はアスペでは?」と疑ったことがあったんだけど。

発達障害」って全然他人事じゃなかった!

「身内事」でしたw



当事者的な視点から思うこと。

それぞれの家庭にはそれぞれの事情があるのだろうけど、父が定型の人だったら私はもうちょい上手く人間関係を学べたのだろうと思う。

私自身は家庭で人間関係の築き方がまともに身に付かなかったので、大学生くらいから非常に苦労した。

「なんで人とは違うのだろう?」と思っていたけど、アスペな父に育てられて人間関係を上手く学べてこなかったのだろうと、今になって思う。

当時の私は共感的コミュニケーションが超絶に下手だった。

「なんでみんな当たり前のようにコミュニケーションとれるんだろう」と思ったし。

もう、マジで勘弁してくれ。

……というのが当事者の意見かな。

親がアスペということは、共感的能力を育てる環境に乏しい家庭となりやすいのだろうな。

ある意味で私自身は家庭的なハンデを背負っての人生スタートだったんだなあ。

ただ、今となってアスペの生徒対応があまり苦じゃないのは、アスペな父の相手をしてきたからこそなんだろうけど。

あんまりいうと問題になりそうだけど、子供の立場からしたらアスペの親はマジで勘弁してほしいなー。



ちょっとずれるけど、ひょっとしたら「親が発達障害」な不登校の生徒って結構いるんじゃないかと思った。

うちみたいな「父が暴れる系アスペ」だと母も消耗していて、とてもじゃないけど子供が安心して過ごせる環境なんかではないし、定型の人との人間関係を学ぶ機会も少なくなってますからね。